後継者のいない高齢経営者を
救うためのM&A
中小企業で経営者の高齢化が進む中、後継者不足が社会問題化している。経済産業省によると、2025年までに70歳を超える中小企業の経営者は約245万人、そのうちの半数以上の127万人が後継者未定となっている。
これは対2015年比で650万人の雇用が失われ、結果約22兆円のGDPが失われる可能性があるということを意味している。
「後継者がいないので廃業したいが、従業員の生活は何がなんでも守りたい!」
「もう体力の限界なので引退したいのに、働き続けないといけない!」
「会社を売るにしても誰にも相談できない!」
これらは、高齢経営者たちの悲痛な叫びだ。
会社を経営する人なら誰でも、自分の会社を愛しているだろう。その会社を存続させて従業員を守り、社会的信用を持続させるための方法の1つにM&Aがあるという。
M&Aといえば、大手企業が財務的な目的のために会社を買収してニュースを賑わせるというようなイメージが強いが、実は後継者に悩む中小企業にとってもありがたいものだ。M&A支援の専門家、株式会社経営承継支援の代表取締役社長・笹川敏幸さんに話を聞いてみた。