米国市場で圧倒的な人気と販売台数を誇るフォードのFシリーズ・トラック米国市場で圧倒的な人気と販売台数を誇るフォードのFシリーズ・トラック フォードと VWの提携が動きはじめるとFシリーズをVWが販売する可能性がある

フォードとVW
将来的に再び大きな資本提携に発展?

 世界の商用車業界に新たな動きが発生した。米・フォードと独・フォルクスワーゲン(VW)は6月下旬、商用車部門での提携を発表、同時にVWはトラック・バス部門の社名をTRATON(トレイトン)に変更する方針を示した。トレイトンは、新会社として来年にも株式上場する計画を明らかにした。VWは乗用車事業と商用車事業を完全に切り離す方針である。すでにダイムラーも商用車部門を別会社にすることを発表している。この背景には、商用車の電動化や自動運転対応など開発環境の変化があるという。はたして、将来的に再び大きな資本提携に発展するのだろうか。

 VWとフォードの発表によると、両社は商用車の共同開発など複数のプロジェクトを検討している。具体的な車種名やカテゴリーは未公表だが、VWが未保有のピックアップトラックやフルサイズバンの分野でフォードは商品群をそろえている。一方、VWは電動化など今後の商品開発に不可欠な次世代技術の分野で強みがある。そしてVWは、商用車グループとしてスカニア(スウェーデン)とMAN(ドイツ)を傘下に持っている。フォードと重なる商用車カテゴリーは少なくない。また、VWはトヨタ・グループの日野自動車と包括的な提携交渉を進めている。