また、教員免許を持っていない専門家は、小中学校では科目の授業を1人で受け持つことはできません。あくまで補助教員として、教員免許を持つ先生が行う授業の中の一部分しか担当できないのです。

 そこで、私はかつてある市町村の公立中学校で、特区の制度を活用してこの2つの規制を緩和し、教員免許を持っていない専門家による遠隔教育での授業を実現しようとしました。すると、文科省による根回しもあったのかもしれませんが、地元選出の国会議員や県の教育委員会などから提案の取り下げをほぼ強要する警告がその市町村に入り、断念せざるを得ませんでした。

茨城県発の教育改革は
実現するか

 このように、教育、特に小中学校という義務教育については、学習指導要領に認められた教育以外は認めない、教員免許を持った先生以外は科目の授業を持てない、といった厳然たる岩盤規制が存在するのです。

 そうした中で、茨城県が特区による教育分野での規制緩和の要望を内閣府に提出しました。提出資料の3、4ページを見ればわかるように、小中学校で教員免許を持った先生が現場にいなくても遠隔教育をできるようにするとともに、茨城県が認めた地域・学校のみで有効な地域限定の新たな教員免許を創設し、外国語やプログラミングの教育で教員以外の専門家が授業を受け持てるようにしようとしています(参考URL)。

 しかし、私がやられたときもそうかもしれませんが、おそらく文科省は国会議員や県の教育委員会などと一緒に、この改革を認めまいとするのではないかと予想されます。それでも、この茨城県の提案が実現する可能性は十分にあると思います。というのは、県のトップである茨城県知事が非常にやる気になっているからです。