少し話が逸れるが、男として生きるには、常に「経験」「浪漫」「知性」が三位一体となった「語るべきもの」を1つでも用意しなくてはならない。語るべきことがない者は、一目置かれることもなく印象にも残らない。

 しかし本稿は、ただ単に「目立ちたい」「語りたい」を目指しているわけでもない。どんなに仕事を頑張っても、その頑張りは家族や友人に目に見える「人生の軌跡」として伝わることはない。自分が語る以上のことは伝わらないのだ。男の生き様は語らなければ誰にも伝わることはないということを、実は筆者は言いたかった。

無名の企業戦士たちよ、
ふと立ち止まってみよう

「すべての仕事を3分で終わらせる~外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術」
岡田兵吾著
定価:本体1400円+税
発売:ダイヤモンド社

 あえて「平成最後の夏」をきっかけにして持論を述べたわけだが、こうした機会でもないと「無名の企業戦士たち」の地道な活躍は、周囲に伝わらないものだ。そう思うと、虚しさに苛まれる。いつの時代も、不器用な男たちの頑張りが報われることを願っている。

 最後に、ハードボイルド小説の金字塔であるレイモンド・チャンドラー作『プレイバック』で、主人公フィリップ・マーロウが語った名言を、世の男たちに送りたいと思う。

If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.(タフでなければ生きてゆけない。優しくなくては生きている資格がない)

 どれだけ社会に貢献しようと男たちの日頃の評価は世間に埋もれがちだが、「平成最後の夏」という時代の節目にふと立ち止まり、改めて自らの功績に思いを馳せ、自分で自分を褒めてあげることも必要なのではないか。

 読者の皆さまが、平成最後の夏に「熱く語れる思い出」をつくり、今年の後半戦、そしてこれからの人生を謳歌し、新しい輝ける日本をつくり上げていくことを切望する。

 STAY GOLD!

(マイクロソフト シンガポール シニアマネジャー 岡田兵吾)