脳科学・精神医学の最新知見に基づきながら、最も効果的な「脳疲労の解消法=マインドフルネス」を解説した『世界のエリートがやっている最高の休息法』が発売1ヵ月にして4万部を超える売れ行きを見せている。

「ニーズはあると思っていましたが、ここまで大きな反響があるとは…」――アメリカで20年以上にわたり人々の脳と心の問題に向き合ってきた著者・久賀谷亮氏も驚きを隠さない。

この季節、「どれだけ休んでも、なかなか夏の疲れが抜けなくて…」という方も多いのではないだろうか?今回は「脳の休息」に役立つシンプルなプログラムを紹介する。秋の休日を有意義に過ごし、今年の残りをエネルギッシュに駆け抜けるためにも、ぜひ参考にしていただきたい。

まずは基本的な考え方
―「何としても休むぞ!」と思わない

こんにちは、久賀谷亮です。アメリカのロサンゼルスでTransHope Medicalというクリニックの院長をしています。

今回は『最高の休息法』の中でもご紹介した「脳の休息プログラム」についてお伝えしていきましょう。これは一人暮らしの人でも、パートナー・家族と暮らす人でもできる方法です。年末年始や夏休みなど、まとまった休暇を過ごすときの参考にしてください。

以下のメニューは5日間で完成するプログラムになっていますが、これはあくまでも「目安」です。「こうでなければならない」という枠をつくって、計画に縛られないようにしましょう。
本の中でも書きましたが、タスク・オリエンティッドな「べき思考」は、脳の疲れの原因となる「認知の歪み」そのものです。

なお、こうした雑念がなぜ脳を疲労させるのか、その根本にあるデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは何なのかについては、こちらの記事を参考にしてください。

▼デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?▼
「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
 ―あんなに休んだのに…朝からアタマが重い理由
https://diamond.jp/articles/-/96908

何がなんでも休もうと意気込んでいませんか?完璧を求めているのなら諦めてください。
まずは「休めなくてもいい」と思いましょう。脳は天邪鬼です。そう考えたほうが、逆に深い休息が得られます。

あと1つ付け加えておけば、この休息法にはお金がかかりません。
「非日常をつくりだす」という意味では、豪華なリゾート地で過ごすことに似ていますが、消費や娯楽のうえに成り立つ一般的なバカンスとは、根本的に考え方が異なります。
「せっかく南の島でゆったりと過ごしたのに、休み明けに仕事に出たら、1日で疲れが元どおり…」なんてことはありませんか?一過性の解放感に浸って終わるのではなく、日常に戻ってからも幸福感が持続する状態を目指していきます。