年収が高い一部の専門職を労働時間規制からはずす「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が、働き方改革関連法の成立を受け来春スタートすることになった。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)に始まる「労働時間規制外し」の制度化は経済界の悲願。20年越しの成就達成かに見える。だが「過労死を助長する」と猛反発する労働側の声を反映し、高プロ適用には高いハードルが課せられることになった。
今のままであれば、高プロは企業にとってこの上なく使いにくい「無用の長物」に終わる可能性があるのだが、経済界の期待は強い。それには理由がある。
招かざる客の労基署が
必ずやって来る?
6月28日、参院厚生労働委員会。働き方改革関連法案の採決の直前、47項目に及ぶ「付帯決議」が可決された。関連法案に野党が反対を唱える中で、主張を反映させるためには与党側との妥協も辞さない「現実路線」の国民民主党が、労働組合などの反発を少しでも抑える内容にということで事前調整を重ねて作ったものだった。
そのうち13項目が高度プロフェッショナル制度への注文だった。