みずほ銀行と東邦銀行(福島県)は、今年6月に福島県でキャッシュレス化の実証実験を始めた
みずほ銀行と東邦銀行(福島県)は、今年6月に福島県でキャッシュレス化の実証実験を始めたが、これも裏側で支えるのはブルー・ラボだ Photo by Takahiro Tanoue

「地方銀行の応募が殺到し、入りたくても入れない」──。ある第二地銀の幹部は嘆息を漏らした。その“意中の相手”は、昨年6月にみずほ銀行がベンチャー投資会社のWiLと立ち上げた子会社、Blue Lab(ブルー・ラボ)だ。

 同社の目的は、ITを活用した新事業を生み出すこと。金融界の共通課題であるキャッシュレス決済の推進にも取り組んでおり、地銀がこの“試験場”にこぞって行員を出向させている。その数はすでに10行を超えるが、キャパシティーの問題もあり、20行ほどの待機組が列を成しているという。

 無論、こうしたデジタル分野での地銀との協力体制は、三菱UFJ銀行も構築済み。昨年10月、持ち株会社傘下にジャパン・デジタル・デザインという子会社を設立し、地銀の行員を集めて業界横断型のサービス開発に着手している。

 メガバンクからすれば、多くの地銀と新サービスを共同利用することで覇権争いを制しやすくなるのに加え、開発コストの低減にもつながる。片や年々業績が悪化する地銀にとっては、少しでも有望な新ビジネスに絡んでおきたい。そうした陣取り合戦の最たるものが、地銀の“系列超え”だ。