ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

ERPを経営者の意思決定に役立てるために、アメーバ経営の実践から生まれた経営管理ツールの凄み――佐々木節夫・京セラコミュニケーションシステム社長に聞く

【第10回】 2012年5月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

 とはいえ、GreenOffice Profit Managementのソリューションのベースにあるのは、まぎれもなく、京セラグループが培ってきたアメーバ経営のノウハウです。特に部門別採算管理を効果的に行うために、財務会計の情報と実際に日々発生する業務上のトランザクションの情報が融合されているところに、このソリューションの特徴があります。

 たとえば、京セラグループでは、売り上げを管理するうえで、通常の財務会計では把握されていないことの多い受注、あるいは受注残といった指標を重視していますが、こうした指標をシステムに組み込んでいたり、数ヵ月先の見込みをアップデートしていく、ローリング・フォアキャストを採用するなど、我々の経営管理のやり方をさまざまに反映させています。

 小規模なセグメント別にデイリー(日次)レベルでリアルタイムに収支を把握することができ、それらセグメント別業績の合算は、会社全体や連結全体の収支と一致します。したがって計画との差異を日々の収支を追いながら精緻にとらえることができ、PDCA(計画・実行・検証・対策)のサイクルを素早く回せるようになる。

 会計数字だけで経営状況を判断するのは、過去を見ながら経営しているようなものです。リアルタイムな現状と先の見込みが把握できて、何が問題になっているのかが見えるツールを提供できると考えています。

――セグメントごとにリアルタイムに収支を把握するうえで、間接部門の経費の扱いはどうされているのでしょうか。

 一般的な企業では、決算時に各セグメントに按分するといったかたちが多いと思いますが、それでは、決算時までセグメントの収支が把握できませんし、現場の納得感も乏しいのではないでしょうか。

 当社では、受益者負担を徹底しています。たとえば、いま取材に使われている社内の会議室の利用料も決められていて、使用した時間に応じてその部門の経費として計上されます。会議室によっても金額は違いますから、参加人数によっては、広いところはやめよう、といった自律的な意識が現場のリーダーに自然と備わるわけです。

朝礼の時間は直接原価からはずす
京セラ流アメーバ経営の徹底

――そんなに細かく配賦基準を設定されているんですか。

 はい、アメーバ経営によって、「時間当り採算」への意識がありますから。細かいことを言えば、たとえば朝礼に要した時間は直接原価に算入しない、というようなことまでやっています。

 しかし、一般的な企業では、このような時間当たりといった基準を利益管理に持ち込むのはなかなか難しいことです。もちろんデータさえあれば、GreenOffice Profit Managementで業績指標として管理することはできますが、「そこまでは…、」というところも多いでしょう。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

IT insight

情報家電、インターネット、ソーシャルメディア、携帯電話など、ITツールの最新情報に加え、激動の市場を勝ち抜くIT企業の戦略、ITを駆使した新しい企業経営の姿などを伝える。ITエグゼクティブや編集部の視点から、ITビジネスの最前線を徹底分析する。

「IT insight」

⇒バックナンバー一覧