高田 「自分たちの仕事は特別だから難しい」と思いがちですけど、一番頑張っていたのが、お客様応対をしているコールセンターのチームでしたからね。他のグループ会社は言い訳ができなくなります。各自が「自分たちだけ特別だ」と思っているとうまくいかない。

小室 本当にそうですね。コンサルのお問い合わせをいただくと、経営者が開口一番に「うちの会社は特殊でして……」と言うことが多いです(笑)。私は「ええ、全社がそうおっしゃいます」とお答えしますが。自社については一番詳しいからこそ、特殊な理由はいっぱい思い浮かぶんですよね。

なぜ給料ではなく
退職金を増額するのか

高田 社内では「最終的にもっと給与のベースアップをする」と宣言しています。私は、会社の長期ビジョンについて公言しているんです。「まず最初は残業時間を短くする」「次に職場の環境を整える」「それで生産性が上がって会社の数字も付いてきたら退職金を増やす」「退職金の次はベースアップ」という順序です。

小室 そこまで順序立てて、長期のビジョンをオープンに話しているんですね。経営者としてなかなか普通は怖くて言えないことです。でもそれを示してもらえるからこそ、社員も「単なる残業時間削減・残業代削減ではない」と信じられて、そこに乗る気持ちが湧いて、モチベーション高く取り組めるわけですね。

高田 退職金制度は大手企業と比較すると脆弱だったので、ゆくゆくは4倍くらいにしたいと考えています。

小室 いいんですか。記事になると御社に応募が殺到しますよ(笑)。

高田 いや、これでやっと大手に並べるというレベルなので。30代、40代くらいの人に訴求するには、給料を上げるインセンティブのほうがわかりやすいんですけど。退職金はあまり目先の実感がないのでね。

小室 ベンチャー企業の多くは、目先の給料額を乗せる方法を取りますよね。そのほうが採用に有利ですから。