ゲームに熱中するオジサンも存在する己の存在意義を懸けて立ち向かっていくおじさんゲーマーたちは、プロでなくとも確かに存在する(写真はイメージです) Photo:PIXTA

海外では賞金総額が数十億円となることもある「eスポーツ」。コンピュータゲームのことである。日本ではあまり広く知られていないものの、今年6月には国内で3.5万人を動員するイベントも開かれた。eスポーツにハマる人の理由や、魅力とは。その世界の一端をのぞいてみた。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

盛り上がりつつあるeスポーツ
おじさんたちも燃え上がる

「eスポーツ」という言葉をご存じだろうか。

 これは「エレクトロニック・スポーツ」の略称に当たる。コンピューターゲームをたしなむ際、ただの趣味や遊戯でなく競技として取り組めば、それはおのずとeスポーツとなる。例えば、老若男女が楽しめる有名なパズルゲーム「テトリス」というものがあるが、他者に打ち勝つべく「テトリス」に真剣に取り組めばそれは立派なeスポーツだ。

 eスポーツにはプロ選手がいて、日夜鍛錬に励んでいるその姿は一般的なスポーツのプロ選手となんら変わりない。eスポーツのプロが収入を得る方法はいくつかあるが、最も代表的なのはやはり大会で勝って賞金を獲得することである。結果が全ての世界であり、ゲームだからといって侮ることはできないのである(主にゲーム配信で収入を得ている人は“プロストリーマー”と呼ばれ、“プロゲーマー”と厳密には区別される)。

 海外ではeスポーツが盛んで、数々の大会が開催されている。規模もさまざまだが賞金総額が数十億円に至るものまである。小規模な大会も断続的に開かれるので、実力さえあれば各所を渡り歩いて優勝をかっさらっていくことでしっかりと生計を立てていくことができる。