いすゞとトヨタが
資本提携を解消
いすゞ自動車はトヨタ自動車との資本提携を解消した。いすゞとトヨタは、ともに8月3日に第1四半期決算を発表したが、トヨタが決算発表を終えた後のいすゞの決算発表で、両社の資本提携解消を発表する形をとった。
このため、いすゞの決算発表会見での質疑は、会見に出席した瀬戸貢一常務執行役員にトヨタとの資本提携解消の質問が集中することになった。瀬戸常務は「トヨタとの協業が資本提携に見合う大きさに成り得なかったことで、いったん資本を解消しようということになった」とその背景を説明した。
歴史を振り返ると、いすゞとトヨタの資本提携は、2006 年11月に行われた。そもそも、いすゞは米ゼネラル・モーターズ(GM)と35年間にわたって資本・業務提携を続けてきたが、GMが業績不振によって2006年4月にいすゞとの資本提携を解消した。そこで、後ろ盾を失ったいすゞとディーゼルエンジンを求めていたトヨタとの思惑が一致し、資本提携が実現したのである。
しかし、両社が資本提携して12年経つ中で、トヨタは乗用車分野でのグループ強化(スバル・マツダ・スズキ)は進めたが、いすゞとの関係に関しては距離が広がっていった。
そこには、(1)協業の大きなテーマであったディーゼルエンジンを取り巻く環境が一変したことと、(2)トヨタの商用車グループとしては日野自動車がトヨタ子会社という関係であること、(3)その日野がここへきて独フォルクスワーゲン(VW)の商用車部門と業務提携したこと…などが背景にあり、資本提携解消につながった。
今回のトヨタ・いすゞの資本提携解消の発表リリースは、以下のようなものだった。