「年だから疲れやすくなるということはないと私は思っています。もしも疲れやすくなったら方法を変えて防ぎたいですし、病気を恐れずに、今知り得る最高の食生活を送りたいです」

 お昼には、寝かせ玄米のおにぎりとおみそ汁を買うことが多いと話しながら、思い出したように「でも、実はラーメンが好きなんですよ」と意外な発言が飛び出しました。でも、そこはやはり「健康とゴルフ以外は興味がないんです」という平井さん。好きなラーメン店も健康志向の高い野菜たっぷりのラーメンを展開する「ソラノイロ」だったり、そば屋も好きだけれど十割そばにする、など随所にこだわりがありました。

 ただ、朝食や昼食に自分のこだわりの食事を取る一方で、会食などでほとんどが外食になる夜は「みんなが食べているものを知る時間」と自らのこだわりを手放すことにしているそうです。そして、以前は飲まなかったお酒も「発酵食品でもあるし、1杯飲んで、血行や体温の変化を見るのも楽しい」と最近はあえて1杯飲むようにしている、というので驚きます。

 また、一時期は針を使わないで血糖値が測れる血糖値測定器をつけていて、食べ方や食べ物による血糖値の変動を見るのが楽しかったというお話も。そんな平井さんを見ていると、食に気を使うことが義務感でもなんでもないように思えてきます。実際、平井さんは、食をエンターテインメントに例え、「食べ物と付き合うことは、人と付き合うのと同じくらい楽しいこと」だといいます。

「食事は魅力的かつ楽しいものだと思うのです。なぜならば、食べたすぐ後も、短期的にも中長期的にも変化を楽しめるからです」

 平井さんが、1冊の本と出合って、その後、ご自身の体験によって食との付き合い方が変わったように、頭で理解するだけでなく、身体で感じることがあると、それは習慣を変える強い味方になります。平井さんもおすすめしている「ベジファースト」「食後に少し歩く」「発酵食品を食べる」は、働き方を問わず、どなたにでも取り入れやすいものです。まずは、1つからでも実践をして、心身の変化に気がつけるようになるといいな、と思います。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)