朝食を食べない人に多い
「ランチ太り」はなぜ起こるのか

 朝食を食べるとなんで体にいいかって、そんな話はおもいきって飛ばしてみようと思う。だって、スマホだって充電を満タンにして出かけるのに、自分の身体は充電しなくても問題なく作動するなんて、ありえない。朝食は、必要不可欠なものなのだ。厚生労働省による2010年の調査では、朝食欠食率がもっとも高かったのは20代男性で29.7%(20代女性は28.6%)。オフィスでの彼らの様子はどうだろうか?

 もしも朝食を抜いた場合。前の晩の食事が9時過ぎと遅かったとしても、昼食を食べるまでに15時間も何も口にいれないことになる。問題は、そんな長時間の空腹に何も対処しないでいられるほどに体は鈍感ではないことだ。体は、ご主人様が飢餓状態であると勘違いをし、非常時に備えて肝臓に脂肪を蓄えようとする上に、次の食事の栄養をここぞとばかりに吸収して、いざというときのために備えてくれる(実際は、いざ、という時なんてないのに…)。これが、朝食を食べないクライアントによく見られる「ランチ太り」パターンだ。

起きぬけに甘いものを口にしてはダメ!?

 一方で、「小さい頃から、朝は何か口にしてから行きなさいと言われていたので」と、確実に朝食を食べている人もいる。「ブドウ糖は脳のエネルギー源だから、朝ちゃんとごはん食べないと頭が働かないんでしょ?」…おっしゃる通りだ。

 とはいえ、口にできたら何でもいいわけではない。「菓子パンとかチョコレートとかゼリー飲料しか口にできない」と言われたら、「それなら、ムリして食べなくてもいいです」と言ってしまう。なぜなら、朝の身体はまだ代謝のスイッチが入っていない。いわば、省エネモードのようなもの。そこへ、偏った栄養バランスの高脂肪・高カロリー食を体に入れてもうまく代謝できない。そうすると、なんかだるいな、本腰入らないな、といった感覚をお昼くらいまでひきずってしまう。

 一般的に、野菜や海草など、食物繊維を多く含んでいたり、血糖値を上げにくい食べものからいただくと太りにくい、と言われるが、この食べる順番は、断食後の朝食こそ大事、と覚えていてほしい。おみやげでいただいたお菓子やケーキ、「夜食べるよりは朝食べた方が太らないだろう」と思っても、決して、起きぬけ一番に口にしてはならない。