「速く読めて覚えられる」――速読の技術を活かして、本から得られる知識の最大化と、その活用方法をビジネスパーソン用に体系化したのが、『速読日本一が教える すごい読書術 短時間で記憶に残る最強メソッド』です。読書が習慣になっている人には重宝される技術でも、そもそも、何の本を読めばいいのかわからないという方もいるでしょう。そこで今回は、あるテーマに絞ったおすすめ本(課題図書)を紹介します。興味を持った本がありましたら、ぜひ、「すごい読書術」の技術を使って、自分のモノにしてください。
誰にでも人生を変える本と出合えるチャンスはある。
出合えたあとはどう体現するかで未来は変わる!
書店に行くと、「転職」や「働き方」に関する本が前面に出ているなあ……と、感じます。私は新卒からシステムエンジニアとして働き、仕事にやりがいを感じていたので、転職する考えはまったく持っていませんでした。しかし、速読を習得してから3年後に会社を退社し、独立しました。
これは数多くの本を読む習慣ができた影響だと思っています。速読を習得した当時、投資系の本をよく読んでいたのですが、いろいろな本を読めるようになりました。他の分野の本も読むようになり、「自分にとっての幸せとは?」といったことを考える機会が増えたのです。
今回は、「転職・独立」や「働き方」に関心を持たれている方に、私が独立する過程で実際に読んでいた本も含めて、4冊の本を紹介させていただきます。
1.『7つの習慣 成功には原則があった!』
スティーブン・R・コヴィー著、
ジェームス・スキナー、川西茂訳、キングベアー出版
まずは「転職・独立」に関する本から紹介していきます。全世界3000万部、国内180万部超えのベストセラー中のベストセラーであるビジネス書です。
私がこの本を知ったキッカケは、会社の研修です。私がリーダークラスに昇格するとき、いくつか研修を受ける必要があって、その中の一つに「7つの習慣」がありました。この研修を受けるべきか判断するために、本を読んだのですが、結果として、「この本があったから、今の自分がある」と断言できます。
一般的な自己啓発系の本だと、「やりたいことをやる」「とにかくまず行動」といった内容は書かれています。この本は「そもそも、やりたいことは何なのか?」「やりたいことに対して、いつ、誰に、どのような行動をすればいいのか?」を、流れに沿って考えることができます。
私自身の例は『すごい読書術』で書きましたので、ここでは割愛させていただきますが、この本を読み、自分自身を客観的に振り返ることができたおかげで、その後の人生はとても豊かになったと思っています。
現在、販売されている完訳版は、本を開いてパッと見たときに、読み応えのある感じを受けるかもしれません。「全部読み切る自信がない」と思われた場合は、第一の習慣に入る前までの最初の部分(基礎原則の部分)だけを繰り返し読んでみてください。基礎原則がすべての習慣の源流となる内容になっているので、しっかり読み込めた状態になった後で第一の習慣から読んでいくと、かなり読みやすくなります。
2.『幸せな人は「お金」と「働く」を知っている』
新井和宏著、イースト・プレス
「転職・独立」に関する本をもう一冊紹介します。この本は私が独立した後で読んだ本になりますが、転職や独立に関心を持っていた過去の私におすすめするとしたら、この一冊です。
著者は鎌倉投信の創業者で、ファンドマネジャーの経験を持ちながら、「本当にいい会社を金融面で応援する」目線を持っている方です。この本には、「いい会社とは?」「働くことの根本は何か?」「幸せとは何か?」が書かれています。
これだけだと他にも類書はあるかもしれませんが、「お金とは何か?」についても、プロの目線でしっかりと触れているので、単なる理想論だけで終わらない内容となっています。巻末付録には実際に会ってほしい人物や訪問してほしい場所もまとめられているので、『すごい読書術』で紹介した「クエスト読書術」や「アタック読書術」を実践してみてはいかがでしょうか?
3.『「週4時間」だけ働く。』
ティモシー・フェリス著、田中じゅん訳、青志社
次に「働き方」に関する本を紹介していきます。
私がこの本と出会ったのは、2011年の春頃だったと記憶しています。当時、北海道から東京に遊びに来ていて、そのとき持っていた本を読み切ってしまい、追加で買いたいと思っていました。
当時はお金の勉強に集中していたこともあり、経営者やお金持ちが集まりやすい書店に行けば、富裕層が好む本が集まっていると考え、「お金持ちと言えば六本木ヒルズ!」と考え、けやき坂下にあるTSUTAYAさんに行ってみました。
想像していたとおり、置いてある本が他の書店とはかなり違い、ランキングの本も主要大型書店のそれとはかなり違うものになっていました。そのランキング本に入っていた一冊が『週4時間だけ働く。』でした。
舞台背景がアメリカなので、内容的に「自分にはできないだろう……」と思う部分があるかもしれませんが、考え方そのものは働き方を考えるうえでとても有効です。
たとえば、自分がやるべきではない作業をバーチャルアシスタントに割り振る方法が書かれていますが、会社員の立場だと守秘義務の関係で第三者に委託することはなかなかできないと思います。しかし、割り振る相手を第三者ではなく、仮に自作したマクロやプログラムにデータ処理させるといったやり方であれば問題はありません。
この本は、こうした発想、気づきが得られた一冊です。そして、仕事に対する時間的な余裕が持てるようになりました。
4.『「時間がない」から、なんでもできる!』
吉田穂波著、サンマーク出版
この本は時間の質を高めることを知るのにいい一冊です。
著者は3人の幼児を子育てしながら、ハーバード留学された医師のママさんです。医師のお仕事もされながら、子育てや家事もしつつ、留学準備までしていたことになります。どうやってそんなことができたのか。端的に言うと、「1日24時間という時間の長さは変えられないけれど、時間の質は変えることができる」と考えたそうです。
本では時間の質を変えるためにどのような行動をしてきたのかが書かれていますが、正直「こんなの真似できない……」と思われるかもしれません。
たとえば、「いくつもやりたいことがあったら、全部いっぺんに、同時にやる」というやり方が載っていますが、私も「できる気がしない」と思いました。しかし、「やりたいことは同時にやる」という考え方そのものは正しくて、『すごい読書術』でも書きましたが、ある分野の課題解決につながる閃きが、まったく違う分野の知見から生まれることがあり、実際に私自身、やりたいことを同時にやっていたのです。
時間の質を変えるためのツールとして速読はとても有効ですが、この本に書かれているような時間に対する考え方を持っていると、あなたの時間の価値はより高いものになります。
いかがでしたか?「転職」「働き方」というテーマで選んだビジネス書ですが、自分を変えるきっかけを作りたいという方は、ぜひ読んでみてください。