テレビCMの長さは通常15秒です。人は、他人の話を聞いて、覚えているのはキーワードのみ。ですから、ひとつのメッセージは15秒以内に、そして最初から、伝えたいキーワードを決めて話す。これを知っているかどうかで、仕事のパフォーマンスが違ってきます。
元人気DJ、さらに不動産会社でのトップ営業やベンチャー企業で取締役営業本部長を経験、そして、現在はトップ講師プロデューサーとして、延べ2万人を指導している話し方のプロが教える新刊『相手のキャラを見極めて15秒で伝える!』から、内容の一部を紹介します。

「私と仕事とどっちが大事なの?」の
正しい答えとは?

Q.「私と仕事とどっちが大事なの?」
×「もちろん、お前が大事だよ」
×「お前も仕事も大事だよ」
○「そんなことを言わせてごめんね」

時代を超えた永遠の問い。「私と仕事とどっちが大事なの?」
この問いに真正面から答えて良い結果を生むことはありません。

「もちろん、お前が大事だよ」と答えると、「だったら何でいつも仕事を優先させて私のことを放っておくの?絶対うそよ!」となるでしょう。「お前も仕事も大事だよ」なんて、調子の良い答えを言ったら最後です。
「どっちも大事なのは分かってるよ!でも、あなたは仕事のことしか考えてないんでしょ?頭の片隅に私のことが少しでも入っているの?嘘ばっかり!」と火を噴きます。

では、逆をついて「仕事が大事に決まってるだろ」と言ったらどうなるか?
無言で去られるか、ひっぱたかれるか……。相手が無口になって、やりすごせたと思った方は、相手の深層は少しも分かってないですね。
相手は、本当に仕事と私のどっちが大事なのかの答えが知りたいのでしょうか?

こういった問いのポイントは、第二回でもお伝えした通り、この言葉を発した相手の深層をしっかり掴むことです。
この問いの深層を掴むと、自分のことを気にかけてほしい。もっとかまって欲しい。寂しいという感情が見えてきます。

つまり、相手は答えが欲しいのではなく、もっと気にかけてほしい、ということなのです。

だから、「そんなこと言わせてごめんね。仕事にばかり気が取られて、寂しい思いをさせてしまったね」と強く抱きしめてあげてください。

そうすれば、「ごめん。仕事が大変なのは分かってたけど、つい、寂しくて。でも、私のことを思ってくれているなら大丈夫」と、自分を大事に思ってくれていると分かるだけで安心するものです。

ちなみに、これ、どちらが男性で、どちらが女性か、想像しましたか?
今の時代は、「仕事と私(俺)とどっちが大事なの?」と、男性が言うケースも増えてきていますよ!

羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー 株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。