これは顧客の属性や購買履歴などを通じて、店舗の売り場を歩く顧客にピタッとくる商品を、スマホで推奨・提案する狙いがある。

 顧客が興味を持った商品を使用している様子の動画を配信したり、SNSで商品写真などの情報を共有したりと、売り場にいながら、ネット上で興味を持った商品を素早く探し出し、提案するような機能で利便性を高める作戦だ。

ネットで店舗のような
賑わいは再現できない

 決済のスピードアップにも挑戦。独自に商品かごをレジのベルトコンベアに乗せれば、360度から買い物かごに入っている商品のバーコードをスキャン、瞬時に購買した金額を決済できるレジも開発中だ。

 時間消費型流通業のドンキらしいというか、楽しさを演出する取り組みとしては、売り場を歩けば歩くほど独自の「ウォーキングコイン」がたまったり、要所で「マジカチャンスゲーム」にチャレンジできコインが獲得できたりする。

 つまり、ドンキのデジタル戦略が出した答えは「ネットで店舗のような賑わいは再現できない」ということなのだろう。ドンキ流のデジタル化では、あくまで「売り場」が主体であり、スマートフォンで買い物の支援、レジャー性を高める戦略といえるだろう。

 大原社長は「スマホを使っての新しい買い物体験は考えていない」とキッパリEC化の深追いを否定した上で「スマホを持っていることが当たり前になっているのに、店舗で対応できていないことが時代遅れであり、これを取り戻したい」と話す。

 このため、ドンキでは5月31日で独自のECサイト「ドン・キホーテオンラインショッピングモール」を閉店、楽天とヤフーショッピングに出店を残すのみとした。それもカテゴリーを大幅に絞り込んだ上での出店だ。