日本語でも悩むメールがスラスラ書ける! 総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。
さりげなく、気の利いたひと言を!
パーティーや懇親会の後、あなたはどんなメールを送りますか。気の利いたひと言を言いたい。そう思いつつも、文面に迷うのではないでしょうか。
さて本日は、「パーティーで話題になった商品を、後日、さりげなく売り込む」という例をご紹介します。
【簡単な背景】
あなたは、英文Eメール作成支援ソフト、WritEmailの販売責任者です。都内で開かれたセミナー後の懇親会で、個人的に親しい取引先と出会いました。WritEmailの話をしたところ、「最新バージョンの導入をぜひ検討したい」と好反応がありました。しかしあなたは、明日から3月中旬までの約2週間、海外出張に出かけることになっています。先方の関心が薄れないよう、メールを送ることにしました。
さて、実際のメールを見てみましょう。
(件名:WritE-mailソフトウェア)
(バーバラさん、昨夜のパーティーでお目にかかれてうれしく思いました。バーバラさんも私同様、パーティーをお楽しみになったことと思います。)
(パーティーの席でお話ししましたように、私は英語を母語としない人が、英語で外国の顧客、パートナー、同僚などにEメールを書くための支援ツールのマーケティングを行っています。商品名はWritE-mailです。市場に出たばかりの新しい商品ではなく、東京にある国際企業や投資銀行数社で実際に使っていただいております。)
Best regards,
(この商品の概要を添付しましたのでご覧ください。新バージョンは完成直前の最終テスト段階に入りますので、その時点で、デモの機会をいただければ幸いです。私は明日から3月中旬まで出張で不在になりますが、出張から戻り次第、追加情報をご提供させていただきます。)
パーティー直後に相手に送るメッセージには、「昨夜のパーティーでお目にかかれてうれしく思いました。私同様パーティーをお楽しみになったことと思います」(It was a pleasure to meet you last night. I hope you enjoyed the party as much as I did)という前置きを忘れないようにしましょう。パーティー直後のメールには、これくらいのメッセージを書きましょう。
こうしたとき「お会いできて嬉しいです」の意味で、Nice to meet you.を使う人を見かけます。口頭で使うのはかまいませんが、ビジネスでは避けたほうがよいでしょう。
また口頭であっても、Nice to meet you.より、(I’m) pleased to meet you.のほうが、ビジネスシーンでは適切です。
You may recall from our chatは、「お話しさせていただいたように」「覚えていらっしゃるかと思いますが」というニュアンスです。
I would appreciate the opportunity to demonstrate it for youは、「新バージョンの製品のデモをさせていただきたい」という願望を表現したものです。