日本語でも悩むメールがスラスラ書ける! 総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。
お世辞と祝辞、どこが違うのか。
お世辞と祝辞、日本語でもその「違い」はわかりにくいものです。本日は「昇進祝いのメッセージ」を例に、「違い」を考えてみましょう。
どんなメールを送ればいいのでしょうか?例をご紹介します。
(件名:昇進のお祝い)
(デイビッドさん、千代田インターナショナルでの新任務おめでとうございます。)
(あなたが管理職に昇進したのはごく当然のことで、私にはとてもうれしいニュースでした。)
(経営幹部に向けた今後の昇進の第一弾だと確信しています。)
(今後益々の活躍をお祈りします。これからもカナダ商業会議所の月例昼食会でお会いできることを期待しています。)
さて、メールのポイントを見てみましょう。
気心の知れた相手であっても、「あなたはいずれ、間違いなく社長になる人です(I know you will be president someday.)」のような、誇張した安っぽい言葉は控えましょう。
「祝辞」と「お世辞」は似て非なるものです。
「あなたが管理職に昇進したのはごく当然と感じた」「経営幹部に向けた昇進の第一ステップになるものと確信している」程度におさえるのです。
定期的に会っている間柄であれば、「昇進したからといって疎遠な関係にしたくない」という善意と厚意を伝えることができます。
「昇進」や「出世」という俗っぽい言葉を嫌う人もいます。本メールではあえて、メッセージ全体を通して、「new position「moved into management」「a long series of moves up the executive ladder」といった表現を使っています。