野球というスポーツの特別感

 とりわけ野球は、スポーツでは珍しく、動きが多いほうではない。それを、「間のスポーツ」と表現する人間もいる。

 1回から9回までのイニング制の試合では、攻撃と守備が入れ替わる間に2分程度の時間が空く。プレー中でも投手がボールを投げる際にも数秒間、動きが制止されるし、選手交代やタイムの時間も含めれば、野球の「間」は数多く存在する。

 プロ野球ではその時間を有効活用し、ファンを盛り上げる。チームを鼓舞するBGMを流し、スタジアムMCがファンを煽る。特定のイニング間では上空に花火が舞い、ダンスユニットが上質なパフォーマンスを披露する――。野球とは、エンターテインメントを表現しやすいスポーツなのである。

 NPBが発表した2017年のデータによると、主催試合で観客動員数が前年を上回ったことが、12球団のうち実に9球団であった。

 これは一端に過ぎないが、「スポーツの多様化」が囁かれている現代でも、やはり野球は日本における「No.1スポーツ」なのだと実感させられる。

 チームが劇的な勝利を収めれば、その日のビールは一段とおいしくなる。応援する選手が異次元の活躍をすれば、次の日の仕事にだって活力が生まれる。そこにエンターテインメントが加わることで、野球好きがファンへと昇華し、スタジアムの虜となっていく。

 先人の信念が脳裏をよぎる。

 現役時代にファンから愛され、成功を収めた選手は、何度もこう訴え続けてきた。