甲子園
スター選手の活躍を支えるのが「名監督」の存在です(写真はイメージです) Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニアエディターである浅羽登志也氏が、ベンチャー起業やその後の経営者としての経験を通じてレビューします。

記憶に残る甲子園の名試合
スター選手の活躍の陰に「名監督」あり

 夏の風物詩である全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)がいよいよ開幕。

 記念すべき第100回となる今大会には、史上最多の56校が結集。8月21日に予定される決勝戦までの17日間、深紅の優勝旗をめざした熱戦が繰り広げられる。

 夏の甲子園のルーツである第1回全国中等学校優勝野球大会が開催されたのは1915年。以来、さまざまな名試合の記憶とともに、後にプロ野球や米国メジャーリーグで活躍する多くのスター選手を生み出してきた。

 例えば、通算ホームラン数の世界記録を持つ王貞治氏。早稲田実業高校時代は4番打者でありながら、エース投手でもあった。1957年の第29回春の選抜大会では、初戦で指の爪を割りながらも、決勝で血染めのボールを投げ続け完投勝利した。

 巨人やメジャーで活躍した桑田真澄氏と、西武、巨人、オリックスに所属した清原和博氏はPL学園高校時代に「KKコンビ」と呼ばれた。桑田投手は戦後最多の甲子園通算20勝、清原選手も歴代1位の通算本塁打13本を記録している。

 また、巨人とメジャーで大活躍をし“ゴジラ”の愛称でも知られた松井秀喜氏は、星稜高校時代も甲子園で暴れまくった。1992年の夏の甲子園第74回大会では、明徳義塾高校からの「5打席連続敬遠」という強打者ぶりを物語るエピソードがある。

 だが、こうした名選手たちの陰には、優れた指導者がいたことを忘れてはならない。

『強豪校の監督術』
『強豪校の監督術』 -高校野球・名将の若者育成法 松井 浩 著 講談社現代新書 840円(税別)

 KKコンビの活躍は、PL学園を6度日本一に導いた中村順司監督の指揮・指導があってこそだった。また、松井秀喜氏を輩出した星稜高校には、同校を全国屈指の野球名門に育てた山下智茂監督がいたのだ。

 本書『強豪校の監督術』は、現在の高校野球界を支える名監督たちにスポットを当て、その人材育成、組織運営の手法や考え方を明らかにした1冊だ。

 著者の松井浩氏は、大学在学中からフリーライターとして仕事を始め、『週刊文春』記者、『Number』で連載をするなどを経て、現在はスポーツライターとして活躍中。主な著書に、『打撃の神髄―榎本喜八伝』『インコースを打て―究極の打撃理論』(ともに講談社)などがある。

 本書によると、高校野球のチームが強くなるかどうかは、監督が8割以上カギを握るそうだ。