【まとめ】

会社の想いと
仲間力の絶妙なバランス

 J:COMユニバーシティにおける新人を対象にした研修の内製化の取り組みは、初年度から研修の内製化比率約9割と、推進していくそのスピード感に圧倒されます。研修の内製化の取り組みを一気呵成に広げていくことは、「入社した新人は、外部でなく社内でしっかりと育てる」という主管部門の覚悟の表れであり、その思いは社内の関係者に届きやすいはずです。

 また、先輩が後輩を教え、教わった後輩が、新しい若い世代にまた教えていくというように、社内で教えあう文化を根付かせていく上でも大変有効な取り組みです。

 また、研修転移という観点からも効果が期待されます。研修転移とは、「研修の現場で学んだことが、仕事の現場で一般化されて役立てられ、かつその効果が持続されること」(2014 中原)を意味します。新入社員にとって、現場に配属されてどんなことに困るのか、具体的に何を今から学んでおけばよいのかという実践的な話を社内講師から教えてもらえることで、研修と現場がより接続し、研修転移がより促進されやすくなるでしょう。

 さらに、大変興味深いのは、新入社員が研修を実施してくださった先輩への感謝の気持ちや感動を伝え、その感動を受け取った先輩も育成に対してよりポジティブになるという好循環を生み出している点です。研修転移を想いの継承という視点からアプローチしている点は、大変参考になります。育成の技術的なアプローチは、時代の変化に応じて変えていかなくてはなりませんが、感謝の想いを紡いでいくという本質的なアプローチは、時代の荒波に揉まれても脈々と受け継がれていくことでしょう。まさに、この点にJ:COMユニバーシティらしさが現れていると思います。

 以上、3回にわたって、J:COMユニバーシティの取り組みについてインタビューさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。理念研修、J:COM愛、学部長制、仲間力、研修のみんな化、研修の内製化など、数多くのエッセンスを紹介していただきました。

 インタビューを通じて私が感じたことは、個人の属性に関係なく、”1人1人の本質的な個の力”を伸ばそうという会社としての想いと、会社への愛をベースにした仲間の力で社員を育成しようという想いの双方のバランスが、絶妙だということです。このような素晴らしい教え合う文化が、これからの時代における企業の成長をさらに加速させていくことでしょう。