東芝が、タービンなどを製造する火力発電機器事業に大ナタを振るうことになりそうだ。人員削減は必至で、低収益から脱することができなければ存続も危ぶまれる状況だ。
東芝の火力発電機器事業は火の車だ。2018年3月期は117億円の営業赤字を計上。今期第1四半期も34億円の赤字で、止血のめどは立っていない。
東芝幹部は「2年後、新規製造の受注残が大幅に減る。中国で故障した他社製タービンの修理といった“落ち穂拾い”に競合が群がっている」と市場の縮小を嘆く。
背景にあるのは、地球温暖化防止のための化石燃料離れだ。火力発電への逆風を受け、火力発電用タービン最大手の米GEは1万2000人、独シーメンスは6900人のリストラを断行している。
東芝は目下のところ、4月に会長兼CEOに就任した三井住友銀行出身の車谷暢昭氏の主導で、構造改革の論議の真っただ中だ。
11月に発表する東芝再生の5カ年計画の策定に向け、事業ごとに「最低でも営業利益率5~7%を狙えるかを検討」(平田政善専務)しており、改善の見通しが立たない事業は撤退・再編を検討する。