三菱重工業が直面する三大問題──火力発電事業の不振、商船事業の巨額損失、三菱リージョナルジェット(MRJ)の開発遅延──。連載第4回では、火力発電事業と造船事業で生じた誤算の本質に迫る。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
2012年、大宮英明・三菱重工業社長(当時、左)と中西宏明・日立製作所社長(当時)は、両社の火力発電事業の統合を発表した Photo:Bloomberg/gettyimages

 三菱重工業が、最大の盟友であるはずの日立製作所と想定外の熾烈なけんかを繰り広げている。

 三菱重工と日立は2014年、火力発電事業を統合し、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)を設立した。

 両社の火力発電事業は言わずと知れたライバル同士だった。が、世界を舞台に米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスという“巨人”と戦わねばならない時代である。国内で火花を散らしている場合ではないと、三菱重工と日立の経営陣が「昨日の敵」とタッグを組む大決断をした。

 そんな盟友のけんかの原因は、07~08年に日立側が総額約5700億円で受注し、MHPSが引き継いだ南アフリカ共和国の火力発電用ボイラー建設プロジェクトだ。この損失の負担割合をめぐり、どうにも折り合いがつかない。