大阪府警幹部はメール配信が遅れた理由を「住民の不安を助長しないよう、事実確認を優先させた結果」、富田林署は防災無線要請の遅れを「市に要請する文書内容の検討に時間が掛かった」と釈明しているが、富田林市の50代男性は「なに言ってんのや。どうせ隠そうしたんやろうが。隠せるはずなかろうに。ドアホもええとこや」と憤慨する。

 富田林市内の地域情報などを掲載する掲示板には、樋田容疑者の顔写真や特徴などを記載した「手配書」が掲示されていたが、40代女性は「こんなん貼ったかて、この辺おるわけないやろ。もうとっく、遠くに逃げてはるわ」とあきれ顔だった。

 さらに初動捜査も信じられない対応だった。緊急配備を敷いたのが、富田林署がある大阪南部の周辺警察署だけで、広域的な配備をしていなかった。

 赤い自転車は発生の12日夜に隣の羽曳野市で乗り捨てられていたが、数時間後の13日未明には、樋田容疑者の地元・松原市で黒いオートバイの盗難事件があった。実は、樋田容疑者の逃走直後には、緊急配備されていなかった大阪市内で黒いバイクによるひったくりが起きていた。

 その後、翌14日夜まで樋田容疑者に似た男が黒いバイクで、自転車に乗った女性の前かごから所持品をひったくる事件が各地で発生。樋田容疑者は逃走資金を蓄えるため、緊急配備から漏れた場所でせっせとひったくりを繰り返していた可能性があるのだ。

 発生3日後の15日、ようやく大阪府警の広田耕一本部長が「府民の皆さまに多大なご不安を与え、心からおわび申し上げます。総力を挙げて逮捕に努めます」とするコメントを発表。

 20日には富田林署を訪れ「府民、住民の皆さまに不安と心配をお掛けし、大変申し訳なく思っている。組織の総力を挙げて逃走した容疑者の一刻も早い発見、確保に向けて全力を尽くしている」と謝罪した。

 通常は不祥事に関する謝罪は総務部長か警務部長の役割だ。

 府警トップが不祥事で頭を下げるということで、いかに“トホホ”なレベルだったか、お分かりいただけるだろう。それを裏付けるように、大阪府警には約3000件の苦情が寄せられている。