日立製作所が英国中部アングルシ―島に計画している原子力事業に「撤退はもはや時間の問題」との見方が強まっている。日立は2012年に英国のホライズン・ニュークリア・パワー社を買収、2020年代の早い時期に沸騰水型の原発2基を完成させる予定だった。ところが計画は大きく狂った。
3・11福島の教訓から安全基準が強化されて建設コストが暴騰 日立が悩んでいる間に世界のエネルギー情勢は「ゲームチェンジ」という言葉が広がるほど、再生可能エネルギーへのシフトが進んだ。「原発は過去の遺物」とされ撤退する企業が続出。日立社内からも「無理な原発にこだわる必要があるのか」という声が上がっている。
ここにきて、「名誉ある撤退」の判断を迫るまた一つの要因が加わった。
上層部の叱咤で
急遽「連携強化」の発表
8月22日、日立は「ホライズン社が英国原子力建設プロジェクト推進に向け、ベクテル社をPMC(プロジェクトマネジメント受託会社)に任命」と題するプレスリリースを、発表した。