トランプ氏に忠誠を誓っていたマイケル・コーエン元顧問弁護士が司法取引に応じ「爆弾発言」トランプ氏に忠誠を誓っていたマイケル・コーエン元顧問弁護士が司法取引に応じ「爆弾発言」 写真:ユニフォトプレス

トランプ氏個人の顧問弁護士が「裏切り」

 まさにテレビの法廷ドラマを観ているような、驚くべき展開である。かつて「大統領のためなら銃弾も受ける」とまで語ってトランプ氏への忠誠を誓っていたマイケル・コーエン元顧問弁護士が8月21日、ニューヨークの連邦地裁で司法取引に応じ、「トランプ氏の指示のもとで犯罪を行った」と証言したのだ。

 コーエン被告は8件の罪で、有罪を認めた。この中には選挙資金法違反も含まれ、「トランプ大統領から指示を受けて、トランプ氏と不倫関係にあったと主張する2人の女性に口止め料を支払った」と述べた。

 トランプ大統領はツイッターで、「刑を軽くしてもらうために話をでっちあげた」と激しく非難。しかし、トランプ氏の虚言癖をよく知るコーエン被告は、口止め料に関するトランプ氏との会話を秘密裏に録音していた。

 問題はトランプ大統領が法を犯したかどうかである。トランプ大統領は「法律違反はなかった」と主張している。しかし、コーエン被告が宣誓証言で示唆した通り、トランプ氏の指示で選挙資金法に違反したのだとしたら、トランプ氏も法を破ったことになるのではないか。

 しかもコーエン被告はこの他にも、2016年米大統領選におけるトランプ陣営とロシアの共謀、いわゆる「ロシア疑惑」について、トランプ氏が事前に知っていたとする情報を持っているという。元顧問弁護士の裏切りで、就任以来最大の法的かつ政治的な危機に直面したトランプ大統領。はたして大統領の職に留まることはできるのか。