地味めの業種が上位
伝統あり制度も充実
卸売、小売は厳しい

 規模や学歴だけでなく、業種によっても受け取れる退職金額は大きく変わってくる。

 二つの表は、大手企業と中小企業の業種別の退職金ランキングだ。大手企業のランキングから見ていこう。

 トップになったのは、「海運・倉庫」。また、「窯業・土石製品」が3位、4位は「化学」と地味な業種が上位に並ぶ。これらは伝統のある企業が多い業種であり、歴史が長いだけに退職金制度も充実している傾向にある。

 ちなみに、化学などの製造業は、「社員の教育にコストが掛かるため、長期雇用を前提とした退職金制度をつくってきた」(退職金事情に詳しい秋山輝之・ベクトル副社長)。具体的には、若いうちは退職金額が低く抑えられ、40代後半から急激に増えるS字形の退職金カーブになっている。

 実際、定年時の退職金の半額を受け取れるのは勤続25年前後が平均的とされ、かなり時間がかかる。

 ランキングに話を戻すと、「銀行」が大手の最下位に沈んだが、これはメガバンクや大手地方銀行が回答していないためだと推測され、大手銀行の支店長ともなれば、高額の退職金が約束される。

 一方、大手、中小双方で上位に食い込んだのが、「保険」だ。特に最大手の部課長級になると、4000万円を超えるとされる。

 中小のランキングでは、「サービス」(10位)、「卸売り・小売り」(9位)がそれぞれ1001万円、1151万円にとどまり、条件の厳しさが際立った。