あの企業の退職金は幾らなのか――。近年「ポイント制」などの普及で分かりづらくなっているが、給与と並んで退職金額は企業を評価する物差しの一つになる。そこで週刊ダイヤモンドは有名企業の退職金額を徹底調査。学歴、退職時の役職、退職時期なども併せて禁断の実額を公表しよう。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2016年10月22日号『知りたくなかった禁断の数字 退職金・年金』から抜粋したものです。

製薬
早期退職ラッシュで割増金が大幅増

 2005年以降に再編が急速に進んだ製薬業界。その結果、各社は合併に伴う合理化の一環や特許切れ問題で早期退職を相次いで募集した。この際に通常の退職金に上乗せされる割増金が製薬業界は手厚い。第一三共の場合、自己都合退職で約3300万円を受け取った元社員が早期退職に応募していれば、金額は6000万円にほぼ倍増していたはずだという。

第一三共OB
「もし早期退職制度のタイミングで辞めていれば、割り増しが付いて6000万円くらいになっていた」

持田製薬OB
「出世レースが厳しく、昇格制限年齢もある。役職定年もあり、大体55歳くらいで明暗が分かれた。そのため55歳以降は選択定年制度で、早々に退職する人もいた」

 以下は、製薬、小売り、インフラ業界などの退職金実額で、金額は原則、一時金と企業年金の合計。