中国が製造強国世界一の地位を確固たるものにする中で、日本の製造業が進む道はどこにあるのか――。『週刊ダイヤモンド9月1号』の第1特集は、「自動車・電機・IT 40年で完成した日中逆転の全経緯」です。特集では、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進している中国の車載電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)を紹介。創業7年目にして、日本のパナソニックを抜き去り世界首位に躍り出た注目の企業です。今回、そんなCATLの日本法人、コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジーズ・ジャパン(CATJ)の多田直純社長のインタビューを特別に掲載します。急成長の理由や日系自動車メーカーとの協業方針について聞きました。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」副編集長 浅島亮子)
──2017年に、電気自動車(EV)の基幹デバイスである「車載用リチウムイオン電池」の出荷量で、CATLはパナソニックを抜き世界首位に立ちました。急成長の要因はどこにあるのでしょうか。
まだ若い会社ではありますが、着実にグローバルな自動車メーカーさんとの取引を拡大できたことにあります。私自身、電池の納入実績が100社以上あることを聞かされて驚いたのですが。
2012年から独自動車メーカーBMWとハイブリッド向け電池から協業しています。BMWやフォルクスワーゲン(VW)と受注契約を結べたので、中国に続き、ドイツにも生産拠点を設けることになりました。これで、LG化学やサムスンSDIなどの韓国電池メーカーとも肩を並べることができます。