ボランティア=無償
という認識を改めるべき

 ボランティアとは、本来「自主性」を意味するものであり、イコール「無償」ではない。各分野の専門家が職業上の知識やスキルを生かして社会貢献する「プロボノ」といった活動も、れっきとしたボランティアである。

 筆者の関わるNPOでは、資格取得者の実務経験を積む場としてボランティアを募集している。例えば、キャリアコンサルタントは、5年間ごとに更新が必要となるのだが、その間に実務経験を積む場があれば、自身の更新ポイントとして加算することができるのだ。結果、それは、資格更新費用の削減となり、個人におけるインセンティブとなるのである。

 何かのジャンルのプロフェッショナルたちが、本業とは別にボランティア活動をしたり、自身のキャリアアップのためにボランティアの場を活用したりするケースと、何も知らない若者が、「あなたが頼りだ」「あなたが日本を救っている」などという美辞麗句に惑わされて無償での貢献を強いられたり、安月給でこき使われるケースは、本質的にまったく別だ。

 社会貢献のためという美しい言い訳に終始するのではなく、NPO経営者側も努力が必要である。そして、それらを求める若者側も多様な視点でNPOを見極めなければならない。価値あるものをお互いが共有できるシステムづくりが重要であって、「ボランティアなんだから無償で当然」と開き直り、一方的な善意の搾取をしないようにすることが大切だ。

 NPOの世界がこれからも発展し、もっと世の中に必要とされるためには、まだまだ改善の余地がある。筆者も含めNPOに関わる人間は、無償の愛や犠牲の精神だけでは組織が成り立たないことを肝に銘じなければならない。