マンション暮らしにおいて、クレーマー的な人たちは非常に迷惑だし、厄介な存在だ。しかし、別な意味でもっと厄介な人たちがいる。それは管理組合やマンション管理の活動に対して、無関心で沈黙している大勢の人たち、サイレントマジョリティーの存在である。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)
モンスタークレーマーよりも
厄介なサイレントマジョリティー
以前、「モンスタークレーマーをマンション管理組合はどう撃退すべきか」 (2018.1.25)について書かせていただいたが、今回はその対極に位置する「サイレントマジョリティー」についての問題を紹介させていただく。
マンションに生息するモンスタークレーマーは、ラウドマイノリティ(声の大きい少数派)の変種、いわゆる“奇人変人”の類であって、ラウドであること、マイノリティーであること自体が問題なのではない。輪番が回ってくれば熱心に理事や役員の役を果たしてくださる方々もやはりラウドマイノリティーなのだ。
それに対して今回取り上げるのは、文字通り、「サイレントマジョリティー」=沈黙している大多数なのだが、実はこちらの方が、理事会や総会で派手に立ち回ってくれるラウドマイノリティよりも厄介な存在だ。
大方のマンション管理組合では、1~2割の熱心に活動する人々と、8~9割のサイレントマジョリティーが存在する。つまり、マンションでは彼ら彼女らが文字通り圧倒的多数派だということだ。
一言でサイレントマジョリティーといっても、立場上、黙っていなければならない人々もいる。