インドを軸に
グローバル戦略を展開

 スズキのグローバル戦略を見ると、今や最大の生産・販売基地となったインドに経営資源を集中し、新興市場の開拓を進めている。今回の中国生産の撤退は、インドを軸としたグローバル戦略について、改めて強い決意を示したものと業界では受けとめられている。

 スズキは、今回の中国での昌河鈴木に次ぐ長安鈴木との合弁事業解消について、鈴木修会長のコメントを発表している。

「約25年前にアルトを投入し、中国市場の開拓に努力してきたが、中国市場が大型車の市場に変化してきたこともあり、今般、全持分を長安汽車に譲渡することとしました」

 スズキがこの中国合弁生産解消の発表で、あえて鈴木修会長のコメントを出したのは、周知のようにスズキのカリスマ経営者は健在であり、スズキの将来に向けた外部交渉は鈴木修会長の胸三寸にあることの表れである。

 中国は、今や米国を抜き、年間の新車販売が3000万台になろうとする世界最大の市場にのし上がり、中国での販売拡大と収益力をいかに高めるかが世界の主要自動車メーカーの重要な戦略となっている。VWをはじめとするドイツ勢にGM、フォードなどの米国勢も中国市場を重視している。

 日本勢も中国を重視している。かつては「北米一本足打法」といわれたホンダも、現在では米国から中国にシフトするかのように生産・販売強化を進めている。トヨタも高級車ブランドのレクサスを含め、中国市場でのシェア拡大を図っている。仏ルノーとの連合で日産も中国に力を入れており、最大の収益源になっている。