大衆車モデル代表のカローラと、国産高級セダンの頂点のひとつとしてトヨタを象徴するクラウン。2018年6月26日にこの2つの車の新型が発売された。普及モデルとハイクラスモデルの両極端をいく両者だが、同時発売されたのには当然ながら理由がある。
新型クラウンと新型カローラスポーツに共通の「つながる」機能
トヨタは事業戦略にMaaS(Mobility as a Service)を加え、CASE(Connected「つながる」、Autonomous「自動運転」、Shared「共有」、Electric「電動」)車両の開発と関連ビジネスに注力している。新型カローラ(正確にはカローラスポーツ)と新型クラウンはともに新しいコネクテッド機能を搭載している。
類似の先進サービスはプリウスやレクサスでは提供されていたが、今回、トヨタの大衆車と高級車の両極を象徴する2車種に、いわば最先端のコネクテッドカーを用意したわけだ。これは今後、トヨタから発売される車両はすべてコネクテッドが前提になるという意気込みの表れだ。
新型クラウンのコネクテッド機能はトヨタモビリティ戦略の試金石
ここでは、よくある試乗インプレッションやユーティリティではなく、新型クラウンに標準装備された、ナビの「エージェント機能」と車両情報に関する「アプリ連携」に特化して評価してみたい。これらのいわゆるコネクテッド機能は、サービスの組み合わせで次第で新たなビジネスを生み出すWebサービスにつながるからだ。
詳細は後述するが、エージェント機能はナビ設定だけに使われるのではなく、Amazon EchoやGoogle Homeのようにオープンプラットフォームになれる可能性があり、トヨタの将来を占う重要な要素である。