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「相互関税は違法」の判決を受け
トランプ大統領は「より強力な関税」を示唆
トランプ大統領が全世界に賦課している相互関税に対して、2月20日にアメリカ連邦最高裁判所が違法の判決を下した(注1)。
この判決を受けてトランプ大統領は、相互関税に代わる新しい関税として、2月24日に1974年通商法122条に基づいて各国へ一律10%関税を発動した。
トランプ大統領は、同日の議会での一般教書演説の中で次のように述べた。
1.違法の判決は残念。
2.ほぼ全ての国と企業が、すでに結んだ合意を維持したがっている。
3.関税は別の法的枠組みの下で維持される。やや複雑だが、より良く、以前よりも強力な解決策となる。議会の議決は必要ない。
この中で最も重要なのは、3で「以前よりも強力な解決策」と言っているものだ。これは具体的には何を指すのだろうか?
通商法122条による新関税の賦課期間が最長150日との制限があるなかで、その後には新たな高率関税の枠組みが打ち出されると考えられる。
「本命」は、通商法301条による関税だ。貿易相手国の「不公平な取引慣行」に対して、協議を行い問題が解決しない場合には、一方的に追加関税を課すものだ。
1980年代、日米通商摩擦が最も激しかった頃、301条が強化され、日本に対して市場開放や輸出規制などを求める大きな武器になり、ブラジルやインドも対象にされた。
相互関税の停止や、税率のより低い一律10%関税への移行で、事態が改善したかのように受け取るのは、楽観的過ぎる。







