5派閥に加えて、安倍首相を支える菅義偉官房長官が影響下に置く無派閥議員、さらに平成研究会/竹下派(議員数:55人)のうち、衆院議員の多くも安倍支持に回る。

 安倍陣営が9月3日に開いた選挙対策本部の発足式には、国会議員が230人出席し、秘書の代理出席を含めると350人近くに達した。国会議員票の実に8割超になる計算だ。

 もちろん不安材料がないわけではない。地方票の存在だ。今回の選挙から比重が高まって国会議員票と同数の405票となり、計810票を奪い合うことになったのだ。

 石破元幹事長が率いる水月会/石破派(議員数:20人)は弱小派閥だが、石破元幹事長の強みは地方の党員からの支持にこそある。実は12年に行われた前回総裁選で、石破元幹事長は地方票を165票も獲得している。これに対し、安倍首相の得票は87票にとどまり、ダブルスコアで大敗しているのだ。その苦い記憶から安倍首相は今回、地方票の取り込みに躍起になっているという。

 連日のように地方議員との面会を繰り返しており、例えば、8月7日には首相官邸で党の秋田県連会長と懇談後、首相公邸で横浜市議と会い、衆院第2議員会館に場所を移して足立区や平塚市の地方議員と懇談、その後さらに佐賀県議らの会合に出席するといった具合だ。

凋落した名門派閥の
「宏池会」と「平成研」

 話を派閥に戻そう。前出の外資系金融幹部は「派閥政治の良し悪しは別として、派閥の動きを理解すると、安倍3選の可能性を予測でき、結果的に金融政策をある程度は見通すことができる」として、その重要性を痛感したという。

 外国人ですら注視する派閥動向だが、今回の総裁選で特に興味深いのは、派閥ごとの明暗が際立っている点にあると言える。