伝統的な大企業、イケイケベンチャー、公的機関などで実施される、さまざまな会議に出席してきた。そして、そこでは必ずKYな人、KYな発言に遭遇することになる。
周囲の反応は、またか、とうんざりした顔で無視する場合、困ったなあという顔をしながら適当にいなす場合、KYな話がその場を活性化させ新しい視界が開けたりする場合などに大別できる。
もともとKYな発言をして会議を滞らせることが多かった私だが、今回は「会議において、どんなKYの種類があり、どんな場合なら許容され、どんな場合に排斥されるのか」ということを分析してみたい。
まず、KYな人のタイプを彼らの発言などから分類してみよう。
会議でKY発言をする人の4タイプ
タイプ1)議論のフェイズや抽象度を意識しないKYさん
きちんとした会議では、テーマ設定、認識合わせ、ゴール設定、課題認識、選択肢の抽出、評価軸の設定、選択肢の評価、結論出し、今後何をするかのアクションリスト作成、などといった形で、フェイズが段階的に遷移していく。
しかしながら、このKYさんは、「そろそろ決めるぞ」という結論出しの段階に来ているにもかかわらず、「いま、ちょっとこういう方法を思いついたんですけども」などと、3つ前の段階の話をする。こうしたKYさんは、会議のフェイズがいまどこにあるのかということに無自覚であると言っていい。
さらには、企業においては、ビジョンの話、戦略レベルの話、戦術レベルの話、行動計画の話……など、いろいろなレベルの話し合いがあるが、ビジョンについて話し合っているのに、細かい戦術にこだわってみたり、行動計画について議論しているのに、突然10年後の業界像について話し始めたりするのも、このKYさんの特徴だ。
タイプ2)関係のない話から戻ってこられない、テーマに無自覚なKYさん
イノベーション手法についてA社の例を挙げて話していたとする。テーマはイノベーションだ。にもかかわらず、A社の話題から触発されてA社の人事問題について、延々と披歴し始める人がいる。テーマがずれるのもおかまいなしに、その人の興味おもむくままにとうとうと弁舌を振るい、もとに戻ってこない。何でいまこの会議が行われているか、テーマについて無自覚なKYさんだ。