「“500ファミリー”にようこそ。ここにいるみんなと家族のようにつきあって欲しい」
4月2日のアクセラレーター・プログラム第4期のキックオフで、25社の起業家たちを前に、500 Startups代表デイブ・マクルーア(Dave McClure)が贈った言葉だ。本連載の第1回で述べたが、アクセラレーターとは、スタートアップと呼ばれる生まれて間もないベンチャー企業の育成を手助けするもので、新たなインキュベーターの一種だ。
みなで教え合い、高め合い、そして競い合う――。こうしたシリコンバレー特有のカルチャーを強めたような人のつながりが、500 Startupsの最大の特徴だ。
数多い米国スーパーエンジェルの中で、500 Startupsは創業2年足らずで頭抜けた存在となっている。なぜ注目されるのか、またどのような人々が、具体的に何をしているのか?(米国でのスーパーエンジェルについて詳しくは本連載第1回をご覧いただきたい。)
創業2年足らずで250社に投資
今やスーパーエンジェルの代表格
マクルーア氏はPayPal、マイクロVC(小さな資金を提供するベンチャー・キャピタル)のファウンダーズ・ファンド、fbファンド(フェイスブックとVC2社が運営する事業立ち上げの初期段階で投資を行なうファンド)、個人投資家を経て、2010年夏に500 Startupsを始動した。それ以来、精力的な活動を続けている。
500 Startupsは、マイクロVCと、スタートアップ・アクセラレーター・プログラムを提供するインキュベーターの性格を併せ持つ。有望なスタートアップには、事業を立ち上げた初期であるシード段階で投資するほか、それ以降の資金調達ラウンドにも投資している。
著名なエンジェルなどから一号ファンドに約2900万ドルを集め、253社(2011年末時点)に投資を実行した。投資先はネットを活用する分野に集中し、Eコマース、モバイル/タブレット、ファイナンス/決済、ファミリー/教育、ヘルスケア/フード、中小企業向け、インターナショナル/言語などのスタートアップに投資している。