ある小型機械メーカーの工場長が全体集会で「10年ぶりに社員旅行を復活させる」と宣言。ところが旅行当日、20代のヤンチャトリオが大浴場を泡風呂にしたり、鏡を割ったりと大暴れ。これを知った旅館の支配人が激怒し、後日、請求書を送りつけてきた。工場長は緊急の管理職会議を開き、迷惑行為をした3人にどんな裁きを下すのか?(社会保険労務士 木村政美)
小型機械メーカー。従業員数は約300名。3年前に大口取引先との契約が成立。これにより注文数が飛躍的に増加した。そこで増産体制に対応すべく新たに乙、丙と2つの製造班を設け、各チーフがシフトの管理や技術指導等にあたっている。乙班は複雑な工程があるため入社10年以上の社員が中心であるのに対し、丙班はほとんど新卒もしくは中途で採用した20歳代の若手社員である。月に1回、工場内の社員全員を集めて「全体集会」を行っている。
<登場人物>
A:甲社工場長。50歳。
B:丙班チーフ。入社20年のベテラン社員で30名の若手部下を指導する。仕事に対しては厳しいが、面倒見が良い一面もある。
C・D・E:入社2年目の社員。3名とも20代半ば。丙班に所属し社内ではいつも行動を共にしている。
F:Aの大学時代の同僚で社労士。半年前から甲社の顧問となる。
工場長が全体集会で発表!
10年ぶりに社員旅行が
「皆さんもご存じの通り、ここ3年当社の売り上げは驚異的に伸びております。大幅な増量体制となり、皆さんの頑張りには大いに感謝いたします」
6月の全体集会で、A工場長は社長の代理で月例訓示をこう読み上げた。工場長はさらに続けた。