GTC4のスタイリングは、ちょっと珍しいスポーツカーとワゴンのクロスオーバーである。いわゆるフェラーリ的思考のシューティングブレークは、富裕層のためのモデルで、ハンティングなどレジャーが主目的になる。エンジンは6.3リットル・V12(690ps)、駆動方式は4WD。世界トップレベルのスピードと快適性を追求した。
“GTC”と“ルッソ”
歴史的な跳ね馬にちなむ、とっておきのネーミング
GTC4ルッソという名称を聞いたとき、「なんと贅沢な」と思った。4の前後の“GTC”と“ルッソ”は、歴史的な跳ね馬にちなむ、とっておきのネーミングだからだ。GTC4ルッソは、“グランツーリズモクーペ”で、4シーターの“ラグジュアリー”モデルを意味している。全長×全幅×全高4922×1980×1383m/mの大柄なフル4シーター4WDクーペのキャラクターを、車名がうまく表現している。内容的には、前作FF(フェラーリ・フォー)のビッグマイナーチェンジモデルである。だが各部は徹底した改良が加えられた。
個性的なシューティングブレークスタイルは継承したが、共通のボディパーツはどこにもない。ルーフとサイドウィンドウの形状まで変更されている。テールライトは伝統の丸目4灯形状に変更。GTC4ルッソは、ワイド&ローなスタイリングが強調され、FFよりもずっとスポーツカーらしくなった。