アウディR8 スパイダーV10・5.2FSIクワトロ、軽量で強烈な走りは芸術品【試乗記】

走る“総合工業芸術品”とでもいうべきか。スーパースポーツは最先端イノベーションの結晶である。アウディR8に軽量設計ソフトトップ仕様のスパイダーが誕生した。いわゆる太陽標準装備である。最高出力540ps。走りは強烈だ。

新型アウディR8に
スパイダーが設定

 新型アウディR8にスパイダーが設定された。現行R8は、アウディ・スポーツ社(クワトロ社から名称変更)のフラッグシップモデル。ランボルギーニ・ウラカンと基本メカニズムを共有する2シーターのミッドシップスーパーカーで、キャビン背後に5.2リットルのV型10気筒自然吸気エンジンを搭載している。なお、ウラカンの最終アッセンブリーはイタリアで行われているが、ボディ骨格とパワートレーンはR8と同じアウディ・スポーツの新工場で生産されている。

 既存のR8クーペは、540psと610psという出力の異なるエンジンを設定しているが、スパイダーは540ps専用で、クワトロ4WDシステムを装備し、7速デュアルクラッチトランスミッション(7SMT)で駆動する。

 スパイダーのルーフは、電動油圧式のソフトトップである。フェラーリやマクラーレンなどハードルーフ全盛という現在、アウディが(そしてランボルギーニも)ソフトトップにこだわった理由は、デザイン表現のアドバンテージにある。

 ソフトトップは、クローズド時の見栄え、質感と色調のコントラストでハードタイプに勝る。そして開口時にはより美しくトップが収納できる。オープンスタイルのR8を真横から眺めてほしい。リアフェンダーの膨らみに呼応してなだらかな曲線を描くトップフードは、艶やかさ満開だ。