実績があるのに人材紹介会社が
推薦できないエグゼクティブとは?
40代から50代のエグゼクティブ、およびその一歩手前くらいの方の転職というと、候補者になるのはビジネスパーソンとして洗練された人ばかりと思われるかもしれません。高い処遇を受けている方たちですから、そうした人が多いのは確かです。
ただし、能力や実績はあっても立ち居振る舞いなどに問題のある「もったいないエグゼクティブ」も一定数います。
以前、海外である現地企業の社長を務めていた方がいました。職務経歴書を確認すると、ちょうどある企業のグループ子会社のトップ候補にキャリアはドンピシャでした。これはよいと思ったのですが、メンバーから「ちょっと心配なので一度、会ってみてください」と言われ、私も面談に同席することにしました。
実際にお会いしての第一印象は、「これはまずい。このまま推薦したら大クレームになる」でした。
いったい何が悪かったかというと、非常に横柄な感じで足を組んだり、高圧的に机をドンドンたたいたりしながら話をするのです。
まずお話を伺い、案件について打診してみると前向きな反応でした。
「とてもよいお話なので、ぜひチャレンジしたいですね」
「そうですか。しかし申し訳ないのですが、このままではご紹介できません」
「えっ、どうしてですか?」
「大変恐縮ですが率直に申し上げると、横柄で高圧的な印象を受けました」
そしてドンドン机をたたきながら話をしていたと指摘すると「いや、全然気が付きませんでした」と。本人はまったく自覚も悪気もなかったのです。