相手のイライラが伝わってくるタイピング音
職場内は、さまざまな“騒音”で溢れている。勤務時間内の周りに気を使わないおしゃべり、お菓子をぽりぽりと食べる音、ヘッドフォンから漏れる音楽……。そんななか、地味に人々を悩ませているのが、キーボードの“カタカタ騒音”である。
筆者は2000年代前半、北斗の拳のタイピングゲームでブラインドタッチを学んだため、一文字打つたび、いまだに「あた! あたたたたた!」と音が鳴るような気がする。そのせいもあってか、筆者のタイピング音は大きいとよく注意される。
仕方がないのである。ひな鳥が初めて見たものを親鳥と思ってしまうように、筆者はキーボードを叩く時にどうしても敵を倒すつもりで連打してしまう。いわゆる刷り込み現象だ。言い訳をするわけではないが、筆者にはそういう事情がある。
しかし、世の中の人は、そんなことで許してはくれない。友人の女性は、職場で隣の席の男性が打つタイピング音の“カタカタ騒音”に毎日イライラしているという。彼女いわく、男性のタイピングの音量にはムラがあり、男性の気が立ってくると、どんどん音量が大きくなるという。女性には、それがどうしても耐えられない。