今回の野田総務相のふるさと納税規制強化の表明は、携帯料金問題での菅発言に対する筋違いな対応として応えてしまったようだ。これではまるで意趣返しである。

微妙な政治的立ち位置
官僚に利用された?

 ふるさと納税は官僚主導のカネの配分よりマシである。というか、官僚は、このふるさと納税の仕組み、つまり「寄付金+税額控除」が、例えば、NPOなど他のものに拡大しないようにしたいというのが本音だ。

 これが拡大すると、官僚が差配できるカネが少なくなるからだ。

 野田総務相は、ふるさと納税に内心反対の総務官僚に乗せられているだけで、総務省にとってはどうせ次の政権にはいないだろうから官僚の代弁程度の利用価値しかないのだろう。

 野田氏は、今回の総裁選に出馬できなかったが、もともと、やりたい政策があるというほどの政策通でもなく政策指向が希薄な人だ。ふるさと納税が大嫌いな官僚の規制案に乗るしかないということだったのなら、哀れな話だ。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)