「ファウルにすべき球を凡打にしている数が多いし、四球が少ない分だけ、当てにいっていることも確かですよね。ヒットほしさにバッティングを崩したくないし、そうなると自分の持ち味がなくなるし、何よりもチームにとってマイナスになる。自分のスタイルは何ら変えることなく、その上でチームの勝利に貢献できるような、価値ある一打を積み重ねていきたい」

 ベテランと呼ばれる領域に入ってからは、オフを含めて常にコンディションの維持に細心の注意を払い、その時点でできる100%の努力を自らに課し続けてきた。2015年の大晦日に本拠地のQVCマリンフィールド(当時)を訪れ、自主練習を積んだのは語り継がれる逸話と言っていい。

「年が明ければ挨拶回りなどもあるので、思い通りに練習できなくなる。なので、ランニングとウエートトレーニングだけでもと思ったら、大晦日ということもあってスタジアムが閉まっていた。警備の方からは『今日は使用できません』と言われましたけど、マネージャーに『上の人にかけあってください』と電話でお願いして、急きょ開けてもらいました」

プロ野球史上の快挙尽くしで名球会入り
本拠地での胴上げを夢見て26年目へ

 2013年のオフに小野が引退し、ドラフトの同期入団組では最後の一人となった。球界全体を見渡しても、1993年のドラフト組は今では松井稼頭夫だけとなった。西武からMLB、楽天をへて、今年から15年ぶりに古巣へ復帰した松井へは「お互いに刺激し合ってきた」と畏敬の念を抱く。

「仙台に遠征したときは稼頭央とよく食事に行ったし、その時はウチの若手選手も同席させています。実績がある選手なので、彼といろいろ話すだけで勉強になりますからね」

 ともに球界最年長野手となった盟友の目の前で2000本安打を達成したのも、運命に導かれた何かを感じる。福浦が二塁打を放った直後に試合は一時中断し、西武ベンチから歩み出てきた松井が真っ先に記念の花束を手渡す粋な演出もファンのさらなる感動を誘った。