大分駅高架化事業と「見える化」
大分駅の高架化事業と駅ビルのリニューアルに着手したころ、駅長室をガラス張りにしたことがあった。高架化に伴って新たに設けられた駅長室は、改札を入ってホームに続くコンコースに面していて、大勢のお客さまが駅長室の横を通るレイアウトになっていた。
普通の駅と違うのは、駅長室とコンコースの間の壁が透明の大きな板ガラスということだった。
つまりコンコースから駅長室が丸見え。駅長が机に向かって執務にあたっている姿が大勢のお客さまの目にふれる。
当直の助役から業務報告を受ける姿、駅員たちとミーティングを行う姿。それらがすべて丸見えなのである。
立ち止まって、動物園の檻(おり)の中のゴリラを見るような目で観察する女子高生。
駅長がバタバタと立ち働く姿にクスッと笑うサラリーマン。
コンコンと思わずガラス窓をノックしてしまうご婦人たち。