駅長の態度が変わった理由
ここで当時の駅長がエラかったのは、透明なガラス板の内側にちゃんとしつらえられていたカーテンを閉めることなく、つねに全開にしていたことだった。
ほどなく駅長の態度は変わった。
本社で駅長たちを集めてミーティングをしてみると、話す声の力強さや表情がほかの駅長たちと明らかに違う。
つねにアドレナリンが出てしまっているせいなのか、なんだか上司の私に対する態度もデカくなったような……。
冗談はさておき、同様の効用は、ほかの駅でも確認された。
長崎の佐世保駅では、販売カウンターで行列ができても、誰も気づかないということが多々見受けられていた。
駅員たちの身だしなみや態度に、どことなく緊張感もなかった。
そこでお客さまがいらっしゃる販売カウンターと駅事務室との間にあって間仕切りの役をはたしていたロッカー、カーテンをすべて取っ払ってやった。
ガラス越しどころではない。素通しである。
これらの例を参考に、駅員の職場の“見える化”をどんどん進めていった。
組織に「氣」を呼びこむには? という質問をよく受けるが、私どもの会社においては、“衆人環視”の場で仕事をしてもらうという手段が非常に有効であった。
案外同じ効果を得られる業種や会社も多いのではないだろうか。
☆ps.
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