しかし近年は販売不振が続いたことからイオンは今年2月、契約満了を迎えるのを機に9月17日までに全国108店舗を閉店し、事業から撤退すると発表。それを伊藤忠が取得したわけだ。

 伊藤忠はここ数年、企業やブランドの買収に積極的だ。ここ2年だけ見ても、ユニー・ファミリーマートホールディングスをグループ傘下に収め、50.1%を保有している。

買収企業のブランドを2年以内に売却し
投資額の3分の1を回収したケースも

 商社のビジネスモデルは、一言で言えば、「需要と供給のマッチング」だ。例えば商社は、メーカーが必要とする原材料を探し出し、安定的に調達し提供する。メーカーは、これを製品化し、再び商社が持つロジスティックを通じて販売網に流すことで、最終消費者に製品を提供することができる。商社にとっての収益は、原材料の調達やロジスティック提供の手数料だ。

 一方、ファンドは、株式を通じて企業を支配した後、組織やビジネスモデルを研さんして、より収益性の高いものに育て上げて企業価値を向上させ、最後には株式を売却することで利益を得る。こうしたビジネスモデルにおいて最も過激で、時にブーイングを浴びるのが、いわゆる「ハゲタカファンド」だ。

 体力が弱った企業の株式を取得して一定程度の経営権を握り、たとえ歴史があろうが、創業者が大切にしている事業であろうが、儲からなければ情け容赦なく切り捨て、儲かる事業だけを徹底して磨き上げて売却するからだ。「血」よりも「値」を柱に据えたビジネスモデルだ。

 伊藤忠の戦略を見ていると、特に2010年以降、そうしたハゲタカファンドのスタイルに近い傾向が見て取れる。

 例えば2010年に格安の約88億円(その後、買い増し)で買収したレリアンでは、2013年に食品のアーデンを、2017年にアパレルのプロシードを売却。これにより、買収額の少なくない金額を回収している。まさにハゲタカと同じ手法だ。