「大人の脳は成長しない」はウソ!? 脳が衰える人、成長を続ける人の違いとは? 26万部突破のベストセラー『最高の休息法』シリーズ著者にして、イェール大で学んだ米国医師が明かす「エイジング研究」の最前線とは? 最新刊『脳が老いない世界一シンプルな方法』の本文から一部抜粋してお送りする。(初出:2019年10月14日)

『脳が老いない世界一シンプルな方法』より「アメリカに住む祖母がシニアハウスに入った」という知らせを受け取ったミワ(35)は米国に飛んだ。変わり果てた祖母の姿を見た瞬間、彼女は自分が「老いへの恐怖」にとらわれていることに気づかされる。そこに突然姿を現したのは、同じシニアハウスに住む謎めいた老人、スコットだった――。
※ストーリーの背景となる「老いの科学(エイジング・サイエンス)」については下記参照。
[第1回]
なぜ、身体が30代の若さなのに、脳が50代レベルに「老化」した人がいるのか?
https://diamond.jp/articles/-/180503

なぜ同年代でも「老けた人」と「若い人」がいるのか? ―テロメア

「……スコット、今日はありがとう。なんというか……とても面白いレクチャーだった。おかげで老いの“正体”がよくわかったわ」
とはいえ、やはり老化を避けることなど不可能なのだ。期待した私がバカだった―。
そう思いながら私は、傍らのバッグを手に取った。

「これこれ、待ちなさい。まだ話は終わっとらんぞ。ここで登場するのが、ノーベル賞級の発見となった長寿遺伝子じゃ!」
「えっ?」立ち上がりかけていた私は、椅子に座り直す。
「ちょ、長寿遺伝子……?」