大学の推薦入試、AO入試の受験者必読。

元NHKアナウンサーの小論文講師で、現在5刷のロングセラー『全試験対応!直前でも一発合格! 落とされない小論文』の著者「ウェブ小論文塾」代表・今道琢也氏が、推薦・AO入試受験の注意点を伝えます。(構成:今野良介)

正しく小論文指導できる先生は少ない

推薦入試、AO入試では多くの大学や学部で小論文試験が取りいれられています。ここで受験生が悩むのが、「小論文を誰に見てもらうか」ということです。

結論からいうと、専門の小論文指導者の指導を受ける、あるいはその人が書いた参考書を読む、というのが一番すすめられます。

一般的には、学校の先生にみてもらうのが身近な手段でしょう。しかし、学校の先生は小論文指導の専門家ではないという点に注意する必要があります。もちろん、学校の先生の中にも小論文についてよくわかっておられる方もいますが、そうでない方も大勢いるということです。

私は、小論文の指導者として、これまで数千という答案を見てきました。その中には、現役の学校の先生もかなりの数が含まれています。臨時採用から正規採用への試験を目指す方、あるいは地元に帰りたいから出身地の教員採用試験を受け直す、という方がいるからです。

その経験から言うと、学校の先生といえども、小論文の書き方がわからず相当苦労している方が多いです。

しかも、「問題文の意味を理解しきれないままに答案を書いている」「強引な展開で論理性がない」といった、極めて初歩的なところでつまずいています。国語の先生であれば小論文を書くのがうまいだろうと思われるかもしれませんが、そうとは言えないのです。

メチャクチャな指導をする先生もいる

以前、私が指導していたある高校生から、このような質問を受けたことがあります。

「私の高校で小論文を指導している先生から『どんな問題が出ても大学の学校案内に載っている言葉を使って書くように。そうすると評価される答案になる』と教えられたのですが、これは正しいのでしょうか」ということでした。

学校の先生がこんな無茶苦茶な指導をしているのかと唖然としましたが、もちろん、正しいはずがありません。小論文試験というのは文章の論理性や、思考力、構成力などを見ているのであって、「学校案内に出てくるキーワードが入っているから得点をプラスしよう」というようなものではありません。

ちなみに、この高校生の志望校の過去問題を調べると、「テーブルマナーは私たちにとってなぜ必要なのか?」といった内容でした。一体、この問題に、「学校案内に載っている言葉」をどうやって盛り込めばよいというのでしょうか。もちろん、これは極端な例だと思いますが、中には生徒から疑問を持たれてしまうような指導をしている先生もいる、ということです。

小論文は「専門科目」と考えたほうがいい

ただ、少し先生方をフォローしておくと、やむを得ない点があることも確かです。