確認強要メールの発端は
無視する社員への警告だった

 典型的な事例だと思うのは、中堅企業の管理部に所属しているAさんのケースだ。社内の営業担当者に経費精算の依頼や人事に関する確認のメールを出しても、ほとんどの人が締め切りを守らなかったり、返信がなかったりするので、タイトルに記入するようになったという。

 最初は、そのような強調をしていなかったそうだが、「締め切りを守ってください」「メールの確認をしてください」と営業担当者に言いに行くたびに、「アクションが必要なメールならそのように明記してくれ」「営業は忙しい。タイトルで重要度がわかるようにしてくれ」と言われ続けて、上司と相談の上、タイトルに記入するようになった。

 その後、返信の締め切りを守る人が増えたかどうかを聞くと、そうした実感はないという。ただ、メールにはっきり書くようになってから、仮に営業担当者がメールに返事をせずに放置して問題が起きても、管理部に責任がないとはっきり言えるようになったという。

 営業部門と管理部門の関係性に変化があったかと聞くと、それまでも険悪な雰囲気だったが、さらに対立は激化したと感じているようだ。しかし、メールを無視する営業部門が悪いのだからと、もはや諦めて割り切っているという。

 Aさんが日頃、営業部門の人たちにどんなメールを送っているのか、具体的に尋ねてみると、「締め切りは〇月〇日23時59分59秒です。それ以降は、一切、対応しません」「〇月〇日までに営業計画を提出しない場合は、管理部で勝手に作成します」など、ほとんどケンカ腰とすら思えるような表現もある。

 いったい、営業担当者はどう捉えているのだろう?たまたま、同社の営業担当役員Bさんも知っていたので、聞いてみることにした。

 やはり予想通り、Bさんは不快感を持っていた。「営業に関する業務は、ビジネス伸展に直結しているので、管理業務よりも重要だ。にもかかわらず、管理部門が営業部門に対して、ああしろ、こうしろと命令してくるのはおかしい」「とにかく忙しいという事情を、管理部門はわかってくれていない」「管理部門からのメールは見る気も起きない」と、真っ向から行き違いが生じている。